2012年7月23日月曜日

7月22日(日)柏木チーム

京都・愛知公演と全日程が終了。
『建築家M』の両チームと分かれて、早や一週間が経ちます。

ご来場くださった皆様。
改めて、ありがとうございました。


この同時上演というかなりハードルの高い企画。
両チームともお互いに色々と刺激を仕合い、
苦楽を分け合うことができたのではないでしょうか・・・


その証拠に、打ち上げの席で、今井さんが筒井チームの母親役・新田さんと
お話されていた姿が印象に残っています。
また、NIWAさん、鈴木さん、藤原さんの
チームを超えたなにかで結びついてしまったトリオが生まれたり、
(「なにか」って、まぁ「酒」なんですけど)
岩田さん筆頭の花の30代レディ達・そして上記のトリオの先輩方は
クールキャッツ高杉さんをたいそう可愛がったり。

その中では、もちろん演劇の話も真剣にしたり、しなかったり・・・



では、柏木チームから今井さんより、
この稽古場ブログの最後の投稿です。



書き続けてくださった演出家のお二人・キャストのみなさま。
どうもありがとうございました。

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7月22日(日)天気:くもり  今井美佐穂

京都・愛知公演が無事終りました。
スタッフさん、関係者の皆さん、本当にお疲れ様でした。
観に来てくださった皆さん、ありがとうございました。

生まれ育った京都を飛び出し、20年後にこの街でお芝居を創り上演できるとは思ってもいませんでした。
私にとってとても貴重な時間でした。

苦しい事もたくさんありました。
自分の不甲斐なさに嫌気がさし、器の小ささに腹が立ち、容赦ないダメ出しに心が折れ、賀茂川の橋から身を投げたくなる夜もありました。
賀茂川では死ねないんですけどね。(笑)

新たにトライできたこともたくさんありました。
いつの間にかいろいろな荷物を持ってしまった私にとって、今変わりたい、向上していきたいと想う気持ちと、荷物を削ぎ落としていく作業は、苦しくもあり非常に楽しくもありました。

皆さんと取り組ませていただいたおかげで、また新しい世界が広がりました。

今回の企画に参加できて本当に良かったです。
皆さんに感謝申し上げます。

いつかまた京都で演劇をやれることを夢見て…。

2012年7月7日土曜日

7月6日(金)筒井チーム

京都公演が終了し、ほっとしたのもつかの間。
来週には愛知公演が控えております。
両チーム、少しお休み期間もありつつ、今は最終調整に入っています。


今日は筒井チームより、演出助手岩田さんからのブログです。


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7月6日(金)雨
担当:岩田由紀


こんにちは、梅雨生まれの湿っぽい女、岩田由紀です。
長所は無理した明るさ、
短所は無理した明るさによって出てくる無理です。
筒井チームの演出助手です。


京都公演が無事に終了いたしました。

梅雨空の中、はたまたカンカンと照りつける日差しの中、
ご来場くださいました皆様、まことにありがとうございました。

また仕込みや転換作業、バラシなど多くの方々にご協力いただき、
この場を借りて御礼申し上げます。


公演本番が始まると毎度のように思いますが、
ご観劇いただく皆様がいらして、改めて再確認することや、
初めてハッとなることは少なくありません。

稽古初期に、皆でくどくどと考え続けてはノートに書き溜められていった様々なものが、
お客さんに感じ取ってもらえていて、わあ、良かった、ありがたい!と思うときもありますし、
逆に、ふと頭をよぎり去っていった、埃ぐらいの大きさの思考の粒が、
それが本番になってまるで巨大岩となって転がってきたりなんかも


しかし、本番中、演劇の話をしていたりしてなかったりしながら
朝まで飲むなんて事が数回ありました。
おっさんたちがえげつなかったです。
午前3時をまわると眠たさとしんどさで記憶がないのですが(お前おるんかい)
みんな熱い人たちです。いやただの飲んだくれか。


そんなこんなで、京都公演をふまえ、間もなく愛知に行ってまいります。

2012年7月5日木曜日

柏木演出ノート6


7月5日(木) 天気:くもり(東京) 担当:柏木俊彦

5/25(金)より京都にて滞在制作をし、久々に、7/3(火)より東京に帰っております。
蒸し暑い日々です。
また、すぐ京都及び愛知に参ります。


2012/6/29(金)~7/2(月)京都芸術センターでの公演終了致しました。
ご来場ありがとうございました。

京都公演を終えて
京都芸術センターは古き良き異国情緒ある建物で、たくさんのアーティストが行き来し、理解深く信頼厚く、素敵な時間を過ごしました。
フリースペースの象徴的ドアを使いたいと思ったのが、舞台美術の始まりでした。
空気や空間、音の響きが特殊であり、俳優たちには、もちろんセリフはあるのですが、セリフから解放された状態になれるよう強く希望しました。
立ち位置なども、その場その場で即興的感覚的に選択してもらいました。
雰囲気や密度など、毎公演違っていたと思います。
俳優たち、スタッフ陣に、たくさんのアイディアを出して頂き、TRYERRORを繰り返し、上演に辿り着けました。
感謝申し上げます。

賛否、好みも引き受け、更に進んでいこうと思います。
WEBやSNSで『建築家M』を検索してみてください。

7/14(土)15(日)の愛知県芸術劇場・小ホールでの公演は、また少し変わっていくと思います。
愛知公演後には、ネタバレ気にせず、もう少し詳細な演出ノートを書ければと思っております。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

2012年6月29日金曜日

演出ノート5(筒井):三十路女子たちの男性観

6月28日(木) 天気:はれときどきくもり
担当:筒井加寿子


京都公演、最後の演出ノートです。

先日更新された駒田大輔さんの稽古場ブログが
全回に引き続きあまりにもひどかったことを
私からひとことお詫び申し上げたいと思います。

とりわけ、駒田さんがルードヴィヒなんとかに
激似のハンサム、などという記述については
ちょっと異論をはさんでおきたいと思います。
駒田さんはたしかにすらりとした長身で顔の造作もそこそこですが
それらは彼の態度や仕草で全て台無しになるからです。

そういえば一週間ほど前、
今回音響を担当してくださっている奥村朋代さんが
「駒田さんは、きもいから大丈夫」という
ちょっとよくわからないことをおっしゃっていました。
そのときはうっかり「はあ、そうですか」と受け流してしまいましたが、
「きもい」という致命的な点を指摘しているにもかかわらず、
いったいなにが大丈夫だとおっしゃるのでしょうか。

振り返れば2008年11月、ルドルフ立ち上げ当初からそうでした。
立ち上げ当時の演目はチェーホフの「結婚申込み」。
駒田大輔さんは今回演出助手をつとめる岩田由紀さんに
結婚を申し込みにくる役どころ。
音響は今回と同じ奥村さんでした。
駒田さんはそこそこ端正な顔立ちをマックスまで歪めつつ
お尻を抑えて絶叫し続けるというひどい演出を
最後までしっかりつとめあげてくださったのですが、
そのときの奥村・岩田の喜びようといったらありませんでした。
普段のちょっとクールな駒田さんには何の興味も示さないふたりが
駒田さんがきもい仕草をしたとたんに黄色い声をあげるのです。
わたしは、駒田さんの残念さよりも
むしろこの三十路女子ふたりの男性観はだいじょうぶなのか、
すこし不安に感じました。

「駒田さんって、男前やのに残念よね」

そう語る岩田さんと奥村さんの顔は少しも残念そうになく
むしろジャニーズタレントを追う妙齢の女性のごとく
顔を紅潮させ、目を輝かせています。
私は、そんな三十路女子に毎日助けられながら
お芝居をつくりつづけているのです。

さて、ただいま私どもは毎日芸術センターに通いながら
最後の公演準備をすすめています。
個人的にはこの時期がいちばんきついですし
俳優・スタッフさんも最後のつめをがんばってくださっています。
私よりもずっとずっとがんばってくださっています。
なので私も最後までがんばります。

2本同時上演、私のくちからこういう風にみえますよ、
とは申せませんが、ぜんぜんまったく違うつくりです。
場面転換でがらりとかわる舞台美術、音、光、味の違うキャスト陣、
脚本が同じでもすべてが違う世界です。
どうぞ、劇場まで足をお運びくださいませ。

皆様のご来場、お待ちしております。


2012年6月26日火曜日

6月25日(月)筒井チーム

小屋入り初日のブログは筒井チームから。
今回は舞台美術が両チームとも全く異なります。
転換が大変だけど、それも見どころの1つかと!


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6月25日(月) 天気:はれ
担当:渡辺綾子

いよいよ小屋入り!
今日は1日仕込みでした。


顔合わせの時と、たまに稽古場が同じになった時にご挨拶するくらいだった柏木さん、今井さん、NIWAさんともようやくお話ができました。
そして今日は1日、私たちチームの美術の製作に物凄く力を貸していただきました。

誠意があって忍耐強い、すてきな方達です。
柏木さんチームの芝居を観るのが楽しみ。


舞台もほとんど組み終わりました。
先週も舞台組んで稽古はしてましたが、やっぱり実際のホールに立ててみると雰囲気が全然違う。
はやく稽古がしたい。


この一月半、ほとんど毎日稽古だったせいか、はたまた感情の振れ幅の大きな役であるせいか、稽古が1日休みになるとなんだかそわそわしてしまいます。
焦ってる、というのとも違うけど、なかなかに私生活に影響してきよる作品です。


お楽しみに。



そうそう。昨日は演出助手、岩田由紀さんのお誕生日でした。
通し稽古や物品の搬出入にドタバタしていたらみんなすっかり忘れていたのです。
特に昨日の駒田さんのブログを読まれた方に伝えたいですが、私たちは決して仲が悪いわけではありません。ほんとに忘れていたのです。
一見、清楚なそこそこイケメンなのに、あの手癖は如何なものかと。


由紀さんごめんなさい。
そして、おめでとうございました。


1日遅れで今日ハンカチをプレゼントしたら、「どこに巻けばいいか」と真剣に悩んでおられました。
スカーフじゃないんですけどね。

柏木演出ノート5


626日(火) 天気:少し晴れ 担当:柏木俊彦

昨日、京都芸術センターに入りました。
正式には、6/23(土)に稽古で入っているのですが。

街の真ん中にありながら、静かな時間が流れる場所です。
こんなところで公演ができるなんて、それだけで特別です。
皆様に感謝です。

そんな思いもありながら、時間は過ぎていきます。

仕込みを頑張りすぎた高杉さんが、小休憩中にゼロ状態になってました。
非常に素敵です。
稽古場や飲み屋で俳優があ~だこ~だ言い始めました。
この景色良いです。
眼の奥が変わって来た。
自立と自覚。

今日を生きて欲しいです。
もちろん私も、今一度気を引き締めて。




2012年6月25日月曜日

6月24日(日)筒井チーム


今日で両チーム稽古が終わりました。
そんな締めくくりの日は駒田さんからの稽古場ブログです。

筒井チームはスペース・イサンに籠ってひたすら稽古を続けていた模様です・・・・。

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6月24日(日) 天気:くもり
担当:駒田大輔

~京都と愛知vol. 2~
~京都と愛知vol. 2~
~京都と愛知vol. 2~


本公演のサブタイトルに素敵なポエムを見つけて、思わず立ち止まってしまいました。
古都に暮らす男と味噌に暮らす女。
すれ違いばかりだった二人の恋ですが、そろそろ新しい季節を迎えつつあるようです。

さて、筒井チームは(そして柏木さんチームも)今日でひとまず稽古が終わり、明日から小屋入りということになります。
今日は昼からシーン稽古と通し稽古をしましたが、さすがにみんな疲れがたまってきているのか、出番のとき以外は口数も少なく、床にうずくまって呆けた顔をさらしておりました。

まあ、おしなべてローテンションな、意気の上がらない稽古場なのは今日に限った話ではありませんが。
そもそも「場を盛り上げよう」「ガンガン話していこう」とか考える殊勝な人間が誰もいませんからね。
何やらもう一方のチームでは、毎日のようにC翼と初期あだち充をこきまぜたようなカロリー高めの光景が展開されているようですが、こちらはまるで形だけをとりつくろっている冷えきった家族のように、みんなの心がばらばらです。

筒井さんは役者そっちのけで「もうー」「どうしようー」と天をあおいで髪をかきむしっているだけだし、
新田さんはうふふと微笑みながら頭の中はお花畑だし、
渡辺はウンコ座りで人のダメ出しをにやにや聞いているし、
クールキャッツは受験に失敗した長男のように空気がどんよりと暗いし、
藤原さんはいつ見ても日曜日の寝起きのお父さんのようだし、
僕はルートヴィッヒII世に激似のハンサムだし、
およそまとまりというものがありません。
唯一の救いは演出助手の岩田ですが、彼女は勝手にひとりで舞い上がってひとりで墜落するタイプなので、影響力はほぼゼロに等しい。

しいてこのメンツの強みをあげるとすれば、上がることもないかわりにそう落ちることもないということでしょうか。
もともと精神的に図太い人ばかりのような気もするし、仮に誰かが沈んでいても(演出家のことが多い)基本的にほったらかしなので、その負のバイブレーションが全体に波及しません。
総じて真ん中よりやや下のあたりを大儀そうに飛び続ける、地球にやさしい、低位安定型のチームと言えましょう。

そんなチームで作り上げた『建築家M』。
稽古場の雰囲気をそのまま映したようなゆるクール系の作品になるのか、それとも意外と真逆の、お熱いところが出ちゃったりするのか。
それは皆さん自身の目でぜひ確かめてください。
どうぞお楽しみに!

とか、なけなしの期待をあおって自分にプレッシャーをかけるようなシメにはしたくはないんだが。
本番が近いからな。
多少は営業トークせんとな。
はあ、胃が痛いわ。